ガラガラガラ、とストレッチャーでレーザー治療をしていた部屋を出る。
待合室を横切る。
そうだ、妹。待合室には妹がいる。これを見て心配しているのでは。
佐藤は看護師さんたちに囲まれ、検査処置室に運ばれた。
「どうする? このまま?」
「いや、こっちのベッドに移そう」
「そっち、いい? 移すよ、はい、いち、に、さん!」
また持ち上げられ、ベッドに移される。
そこからがまた大騒ぎだった。
「佐藤さーん! 大丈夫ですよー!!」
「佐藤さん心配しなくていいからね!」
「バイタル!」
「点滴します。あれっ? 点滴する前なのに、こんなところに痣が」
「血圧測りますか」
「佐藤さーん、指に機械つけるからね! 人差し指をクリップで挟むよ!」
「心電図どうしますか」
「耳から採血するからね、ちょっとちくっとするよー!」
えええええええ? ちょっと待って、何事? なんでこんなに大騒ぎしてんの? 大袈裟すぎる、バイタルとかテレビでしか聞いたことねえよ。ERか。
「血が少ししか出ない。無理かな」
耳たぶをぎゅっと絞られる。
「点滴刺さらないな」
えっ、そこに刺すの? そこ痛い場所だから嫌なんですけど。
「点滴入りました!」
あれ、痛くない。神経鈍ってる? そういやあれほど酷かった頭痛も今はしてないし。
「佐藤さん? 分かる? 意識戻った?」
佐藤の周りを囲んでいた看護師さんの一人が、佐藤の顔をのぞき込んだ。
「佐藤さん、分かる? 分かりますか?」
大きな声で言われる。頷きたかったが、相変わらず指一本動かせない佐藤。
しかし口を動かすことが出来た。
「……はひ」
「大丈夫だからね、心配しないで。緊張しちゃったんだね」
「………」
「お昼ごはんは食べた?」
「……まだ」
「なんだー、お昼食べてなかったのかあ」
「仕事の関係で……朝は九時半頃、昼は二時過ぎにいつも食べるんです……」
「朝ごはんは食べた?」
「…はひ」
「血、どう?」
「うーん……、あっ、取れた」
ピッ
この音は、血糖値測定器?
「大丈夫です、正常値です」
ここでなんでこんなに大騒ぎされたのか、分かった。
高血糖で昏睡、もしくは低血糖で昏睡したのでは、と思われたのかもしれん。低血糖で昏睡の場合はブドウ糖を摂取させればいいが、高血糖での昏睡はかなりマズイ。佐藤の数値は順調に下がってきてはいるものの、やはりまだ高いので、看護師さんは慌てたのかもしれん。
てかこの騒ぎっぷりに、こっちが慌てそうなんですが。
あまりの騒ぎにビビって不安になっていたら、佐藤さん、と先生が顔を出した。
糖尿内科で佐藤の主治医をしている、春の小川先生だ。
ってか、えっっ!? なに、わざわざ春の小川先生まで呼ばれたの!?
相変わらずあのぽわぽわしたどこか頼りなさげな笑顔で、ベッドに寝かされている佐藤の顔を覗き込む。
「佐藤さん、大丈夫かい? あ、うん、大丈夫そうだね」
佐藤が答えてないのに一人で納得して、うんうん頷き、しばらく安静にしててね、と言ってにこにこ顔のまま糖尿内科に戻っていった(←まだ外来勤務中)
「佐藤さん、大丈夫?」
先生と入れ替わるように、馴染みの看護師さんがやってきた。眉毛の濃い、佐藤の体重に毎回興味津々のあの糖尿内科の受け付け看護師さんだ。
「血糖値、正常だったそうだから、心配しなくていいからね。どう? 気分悪くない?」
「大丈夫、れす……」
うんうん頷いて、看護師さんも帰っていった(←まだ外来勤務中)
よかったよかった、と場が和む。
知らない看護師さん達に囲まれて騒がれていたので、とても不安になっていたが、春の小川先生と眉毛の看護師さんという馴染みの顔を見て、ほっとした。本当にほっとした。
それよりも妹。妹が心配しているのではないだろうか。妹に会いたい。
「佐藤さんのご家族は? そういえば今日来てたよね?」
「初回だから来ています。妹さんが」
「いまどこ?」
「待合室で待っています」
「佐藤さん、もう少ししたらご家族をお呼びしますね」
頷きたかったが、相変わらず体はぴくりとも動かなかった。
夜のご飯
★白身魚とイカのキャベツ炒め、もやしの温野菜サラダ
茗荷の酢の物、最後。また来年再会しよう。
鶏の照り焼き1/4、春巻き1/2
しめじの味噌汁
素晴らしい名月でしたな。
地域によっては曇っていて残念だったそうですが。
佐藤のところは快晴でした。
皆既月食がゆっくりと終わってゆくのも風情があって良かった。
早めに晩御飯を食べて、例の街灯が灯らない真っ暗な道を歩いた。
そして月の光が遮られたため、星が鮮やかに夜空に浮かび上がり、ミルキーウェイまで見れました。
楽しい夜の散歩だった。
次回の皆既月食は来年の4月4日です。
しかし時間が短く12分くらい。なので赤い月は見られない模様。
その次の皆既月食は2018年だそうです。(たしか)
★イワシの南蛮漬け、サラダ、冷奴、カニかま卵巻き
ウィンナー一本
かぼちゃサラダ
鶏つくね
イワシの南蛮漬けは、正確には南蛮掛け。漬けると塩分もカロリーも高くなるから。
それとスライス玉ねぎ。
あれほど嫌いだった魚を食べるのにも慣れてきた。
問題は調理法だ。勉強せねば……。
ところで今日の夕方から上京します。
大きなイベントに出るために(同じオタクならこれだけで分かる)
西3に居ます。
これだけじゃ絶対に分からないと思いますが、もし佐藤だと思った奇跡の神眼を持ったオタクの方は声を掛けてください。
月曜日に帰る予定。台風にビクビクっす。
にほんブログ村 人気ブログランキングへ
待合室を横切る。
そうだ、妹。待合室には妹がいる。これを見て心配しているのでは。
佐藤は看護師さんたちに囲まれ、検査処置室に運ばれた。
「どうする? このまま?」
「いや、こっちのベッドに移そう」
「そっち、いい? 移すよ、はい、いち、に、さん!」
また持ち上げられ、ベッドに移される。
そこからがまた大騒ぎだった。
「佐藤さーん! 大丈夫ですよー!!」
「佐藤さん心配しなくていいからね!」
「バイタル!」
「点滴します。あれっ? 点滴する前なのに、こんなところに痣が」
「血圧測りますか」
「佐藤さーん、指に機械つけるからね! 人差し指をクリップで挟むよ!」
「心電図どうしますか」
「耳から採血するからね、ちょっとちくっとするよー!」
えええええええ? ちょっと待って、何事? なんでこんなに大騒ぎしてんの? 大袈裟すぎる、バイタルとかテレビでしか聞いたことねえよ。ERか。
「血が少ししか出ない。無理かな」
耳たぶをぎゅっと絞られる。
「点滴刺さらないな」
えっ、そこに刺すの? そこ痛い場所だから嫌なんですけど。
「点滴入りました!」
あれ、痛くない。神経鈍ってる? そういやあれほど酷かった頭痛も今はしてないし。
「佐藤さん? 分かる? 意識戻った?」
佐藤の周りを囲んでいた看護師さんの一人が、佐藤の顔をのぞき込んだ。
「佐藤さん、分かる? 分かりますか?」
大きな声で言われる。頷きたかったが、相変わらず指一本動かせない佐藤。
しかし口を動かすことが出来た。
「……はひ」
「大丈夫だからね、心配しないで。緊張しちゃったんだね」
「………」
「お昼ごはんは食べた?」
「……まだ」
「なんだー、お昼食べてなかったのかあ」
「仕事の関係で……朝は九時半頃、昼は二時過ぎにいつも食べるんです……」
「朝ごはんは食べた?」
「…はひ」
「血、どう?」
「うーん……、あっ、取れた」
ピッ
この音は、血糖値測定器?
「大丈夫です、正常値です」
ここでなんでこんなに大騒ぎされたのか、分かった。
高血糖で昏睡、もしくは低血糖で昏睡したのでは、と思われたのかもしれん。低血糖で昏睡の場合はブドウ糖を摂取させればいいが、高血糖での昏睡はかなりマズイ。佐藤の数値は順調に下がってきてはいるものの、やはりまだ高いので、看護師さんは慌てたのかもしれん。
てかこの騒ぎっぷりに、こっちが慌てそうなんですが。
あまりの騒ぎにビビって不安になっていたら、佐藤さん、と先生が顔を出した。
糖尿内科で佐藤の主治医をしている、春の小川先生だ。
ってか、えっっ!? なに、わざわざ春の小川先生まで呼ばれたの!?
相変わらずあのぽわぽわしたどこか頼りなさげな笑顔で、ベッドに寝かされている佐藤の顔を覗き込む。
「佐藤さん、大丈夫かい? あ、うん、大丈夫そうだね」
佐藤が答えてないのに一人で納得して、うんうん頷き、しばらく安静にしててね、と言ってにこにこ顔のまま糖尿内科に戻っていった(←まだ外来勤務中)
「佐藤さん、大丈夫?」
先生と入れ替わるように、馴染みの看護師さんがやってきた。眉毛の濃い、佐藤の体重に毎回興味津々のあの糖尿内科の受け付け看護師さんだ。
「血糖値、正常だったそうだから、心配しなくていいからね。どう? 気分悪くない?」
「大丈夫、れす……」
うんうん頷いて、看護師さんも帰っていった(←まだ外来勤務中)
よかったよかった、と場が和む。
知らない看護師さん達に囲まれて騒がれていたので、とても不安になっていたが、春の小川先生と眉毛の看護師さんという馴染みの顔を見て、ほっとした。本当にほっとした。
それよりも妹。妹が心配しているのではないだろうか。妹に会いたい。
「佐藤さんのご家族は? そういえば今日来てたよね?」
「初回だから来ています。妹さんが」
「いまどこ?」
「待合室で待っています」
「佐藤さん、もう少ししたらご家族をお呼びしますね」
頷きたかったが、相変わらず体はぴくりとも動かなかった。
夜のご飯
★白身魚とイカのキャベツ炒め、もやしの温野菜サラダ
茗荷の酢の物、最後。また来年再会しよう。
鶏の照り焼き1/4、春巻き1/2
しめじの味噌汁
素晴らしい名月でしたな。
地域によっては曇っていて残念だったそうですが。
佐藤のところは快晴でした。
皆既月食がゆっくりと終わってゆくのも風情があって良かった。
早めに晩御飯を食べて、例の街灯が灯らない真っ暗な道を歩いた。
そして月の光が遮られたため、星が鮮やかに夜空に浮かび上がり、ミルキーウェイまで見れました。
楽しい夜の散歩だった。
次回の皆既月食は来年の4月4日です。
しかし時間が短く12分くらい。なので赤い月は見られない模様。
その次の皆既月食は2018年だそうです。(たしか)
皆既月食になりました。赤銅色の月が浮かんでいます。 pic.twitter.com/uexyKGK2Xl
— KAGAYA (@KAGAYA_11949) October 8, 2014
★イワシの南蛮漬け、サラダ、冷奴、カニかま卵巻き
ウィンナー一本
かぼちゃサラダ
鶏つくね
イワシの南蛮漬けは、正確には南蛮掛け。漬けると塩分もカロリーも高くなるから。
それとスライス玉ねぎ。
あれほど嫌いだった魚を食べるのにも慣れてきた。
問題は調理法だ。勉強せねば……。
ところで今日の夕方から上京します。
大きなイベントに出るために(同じオタクならこれだけで分かる)
西3に居ます。
これだけじゃ絶対に分からないと思いますが、もし佐藤だと思った奇跡の神眼を持ったオタクの方は声を掛けてください。
月曜日に帰る予定。台風にビクビクっす。
にほんブログ村 人気ブログランキングへ
コメント一覧