退院して気持ちも少し落ち着いてきて、料理をこれから頑張らねばならないのなら、ブログでも始めようかな~、と思っていたとき、埼玉子から
「毎日料理えらいね、すごいね、ブログ始めなよ!」
といいタイミングで勧められました。

で、ブログを始めることになるのですが、そのとき埼玉子に
「つらいこととかをたまにブログに書いて吐き出すのもいいけど、やっぱり糖尿病のブログを読む人って、同じ『糖尿病』っていう病気と直接とか間接的に戦う状況の人達ばかりだと思うんだ。だから、暗い内容だと読んでいる人もつらくなっちゃうから、つらいことはたまに書くくらいにして、全体的には明るく書くようにするといいと思う」
と言われてました。

なるほど、そうかもしれない。
どうしても暗くなっちゃう時は多々あるだろうけど。




なんでこんなことを急に言い出したかというと、同じ闘病ブログカテゴリに名を連ねていたブログ主さんが、亡くなったのですよ。
糖尿病ではありませんが。
私の糖尿病発覚が2014年。二年前。その方は病気発覚からたった一年でした。

これは結構前から思っていたのですが、闘病カテゴリには深刻な病気と戦っている方ばかり。
いや、糖尿病だって楽観できない、それこそ最悪命にかかわるような病気ではありますが――うーん、なんて言ったらいいんだろう、軽く見られがちというか、そういう自分自身も、深刻になりたくなくて、意識して軽く考えるようにしていますけど。


入院している時、お風呂の時間があって、私が入院していた病院のお風呂は旅館の大浴場のようで、入院中の唯一の癒しでした。

当然他の病気の患者さんたちも利用するので、一緒に入るようになります。

「なんの病気で入院ですか?」というような会話のやりとりが行われ、
「私は子宮がんです。あなたは?」
「私は胃がんですね。今日からお風呂に入る許可が降りて」
「私は放射線治療に」
そして私にも
「あなたはなんの病気ですか?」と。

「あ……え、えーと……」
このとき、まだ自分の病気が受け入れられず、口に出すことにひどい抵抗を感じていたのですが、言わないわけにはいかず、勇気を出して
「私は、糖尿病、です」
と言ったのです。

そしたらその場が一気に白けて、ちょっと白い目で見られました。
背を向けられ、それ以降は私には話しかけられず。

ひょっとしたら腹を立てたのかも。
でもそうですよね、みなさん深刻な状況だし、手術跡もまだまだ生々しく、これから本当につらい治療が待っているだろうし、死と直結する恐怖や苦悩があるだろうし。
そんな気はなくても、命を賭ける手術が終わったばかりでようやく抜糸もして、これで助かるだろうか? と不安だらけなのに、一人だけ場違いな、しかも自業自得の人じゃん、と普段はそんなこと絶対に思わない人なのに、まだ入院中で気が立っている時だったら思ってしまうかも。

この件があってからひどく恥じ入ったというか、更に「糖尿病だと口にしてはいけない」と思うようになったというか。

深刻な病状で戦っている方々に申し訳なく思いました。
いや私だって結構重くて、とくに右目はもうかなり重症だし。
糖尿病の家族・親戚も周囲にいて、私だけのせいじゃないかもしれない。糖尿病患者の中には遺伝だったり一型だったり、自分ではどうすることも出来なかった人が大勢いて、糖尿病になったことを恥じ入るだなんて口が裂けても言ってはいけないことだろうけど。

まあでもこれはよくある心理の一つで、一種のサバイバーズ・ギルトのようなものなんですが(有名なのは福知山線事故とか震災とか)、この日以降、罪悪感からお風呂は人が誰もいないのを見計らって入るようになりました。


今も友人たちにはカミングアウトしてません。
糖尿病だと自分から告白したのは、ほんの数人。コンプレックスからなのか劣等感からなのか。
相変わらず「糖尿病」だと口にできない。

壮絶な戦いになる方もいる「糖尿病」を揶揄されたりしたくないと思う反面、上にも書きましたがむしろ自ら揶揄して大した病気じゃないと笑い飛ばして楽天的になりたい気持ちもある。

どの病気もそれが『病気』だからデリケートな話になってきますよね。


そんなふうに、もうあれから二年も経っているのに、未だにそんなふうに心の何処かでいろいろな複雑さを抱えつつ、やっぱり陽気にブログを書いていますが、今回この、深刻な病状で戦っている方々が名を連ねている闘病ブログカテゴリに、一人だけ陽気に食事の写真とか載せている……いいんだろうか? 命の期限を切られている人も多く、一日の重さをブログに書き綴っている方々の中で。
他のブログ主さんも私と同じように闘病カテゴリを見て一人だけ陽気なサトウを見かけて、不快に思わないだろうか。
申し訳ない……と、また罪悪感を抱いてしまった。

誰かの為に役に立つならとブログを始めて、たった一年で亡くなってしまったブログ主さんにショックを受けて、またサバイバーズ・ギルトらしき心理が生まれたのか。
とにかく複雑な心境です。

ここに来てくださる方々はそんなこと百も承知で、ここのブログを見に来て深刻じゃないサトウを見て帰っていく、と知ってますが。


いつか、告知されてからたった一年、人によっては数ヶ月で亡くなってしまうなんて病は、世界から無くなる日がくるのだろうか。

くればいい。


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