佐藤です

22:49
早朝四時半。
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ジャー。ガボガボガボ。ジャー、ジャーガボガボガボ。



部屋の中にある洗面台をおトキさんが使っている。

ジャージャージャー、ガボガボガボ。
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すぐ終わるかと思いきや、三十分経っても終わらない。
水はMAXな勢い。


うるさくて眠れないよ、トキさん……



佐藤は病気の告知のショックのためか、それとも入院という環境に変わったためか、強制消灯の反動なのか、連日不眠気味。

眠れぬ夜を過ごして、午前四時にようやくウトウト、目が覚めてまたウトウト、を六時頃まで続け、朝は七時に血糖測定、という毎日だった。


貴重なウトウト時間を妨害される。




てかトキさん……いま四時半だよ……この病室だけでなく、病棟全部がまだ眠りに就いてるじゃん……洗面所に行ってくれよ……。なんで水をMAX出してるんだ…三十分以上もなにしてるの……。

本当に何をしていたのだろう? 五時半近くになって、ようやく水音と何かをしているガツンガツンという音は止まった。



しかしもう寝むれない。
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今日は三十分だけウトウトして、起き上がった。
でもあれか。逆に考えれば、これだけしか寝れなかったということは、今晩はぐっすり眠れるかも。一度も目を覚まさず眠れるかも。


まあ次の日も、そのまた次の日も、「一度も目を覚まさずぐっすり眠る」ことはなかったのだが。
血糖値の数値が上がるから、睡眠はばっちり取りたい。しかし寝むれない。眠らなくちゃいけないのに寝むれないのは、本当にしんどいと、経験してはいたが、このとき身にしみた。


病院の周囲をぐるぐる回ることに、早々に飽きた佐藤。
散歩コースを変える。
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季節は夏に向かい、日照が少ない梅雨とはいえ、花が色鮮やかに咲き誇る。
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目に楽しい。コースを変えてよかった。


★鶏の竜田揚げ、付け合せ、中華風和え物、漬物、キウィ

中華風和え物 ( 春雨、きゅうり、人参、キャベツ )
漬物 ( カリフラワー )
付け合せ ( 人参、インゲン、フライドポテト )
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鶏の竜田揚げというか、唐揚げ。
もう二度と食べれないと思ってた。鶏の唐揚げフライドポテトも。


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佐藤です

21:36
★ロースハム、グリル野菜のソテー、温泉玉子、味噌汁、味付けのり、お新香

グリル野菜のソテー ( ズッキーニ、茄子、パプリカ 甘辛醤油の味付け? )
味噌汁 ( もやし、キャベツ )
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病院のメニューでは「白菜とアスパラの和え物」になっていた。佐藤のには、白菜しか入っていない。
カロリー計算の関係で、お新香になったのかな?


食後の散歩に出かけたら、工藤さんに会う。
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「あ、佐藤さん」

「工藤さんもウォーキングですか?」



なんとなく、二人で並んで病院の周囲を歩いた。



工藤さん
「病院の周囲を一周するとさ、だいたい三千歩弱くらいないんだよね。朝食後に一周、昼食後に一周、夕食後には二周すれば、一日一万歩になるでしょ」




今日もわんこは同じ位置、同じスタイルでこっちを見ている。
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「佐藤さんはどのくらい歩いてるの?」

「入院した日は五千歩くらいでしたけど、二日目からは一万歩ですよ。工藤さんと同じです」

「えっ、二日目から? 私、五千歩がせいぜいで、一万歩あるけるようになったの、最近だよ。若いっていいなー」

「別に若くはないですよ。そうじゃなくて、入院する前から、ウォーキングしたりしてたりはしたんです」




運動していたのにも関わらず、血糖値の数値が酷くて、告知された時それもショックだった。




工藤さん
「つらくない?」

佐藤
「つらくはないですけど、ゆっくり歩くので、時間がかかりますね。私のはウォーキングじゃなくて、散歩だし。そのうち長く歩くのに慣れたら、ウォーキングにしたいかなー」


実際歩くのは工藤さんのほうが早かった。佐藤に合わせて、ゆっくり歩いてくれているようだった。


「筋肉つくと大丈夫だよ。歩いてると段々筋肉がついてきてね、へっちゃらになるよ。今の私がそうだもん。最初はホント、五千歩あるくのも辛かったんだ~」

「あー、そういや私は筋肉ないです」

「大丈夫、退院する頃には筋肉がついて、ガンガン歩けるようになるよ」




励まして貰っちゃった。





夜。

食事が終わって、散歩をして、帰ってきて、ベッドでまったり時間を過ごす。


入院中は時間がいっぱいあって、寝てばかりいるかも、かなり退屈かも。と思っていたが、どうしてどうして、忙しい。
やれ血糖値測定だ、血圧だ、検温だ、シャワーだ、病気のことを学ぶビデオ鑑賞だ、看護師さんとの会話だ(たぶんカウンセリングの一環)、と。


糖尿病患者の場合は三食後三回運動しに病室を出るから余計忙しいのかもしれいない。




なのでこのまったりした時間は心身ともにリラックスできる、意外と貴重な時間だ。

工藤さんは、本を読んでいる模様。


佐藤は、友達とLINEしようかな~、あ、いっぱい来てる( 佐藤の気が紛れるよう、雑談をいっぱいしてくれていた )、返事しないと、などとスマホを弄ろうとした時だった。



シャッといきなり開けられる、佐藤のベッド周りのカーテン。



佐藤  Σ(゚_゚;)ビクッ



トキさん
「電気消すね」
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時間、午後八時二十分。




消灯まで、あと四十分。








佐藤
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パチン



消灯


今日も安定の強制消灯。


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佐藤です

20:36
★炊き込みご飯、すまし汁、野菜の揚げ浸し、ぬた、漬物、大根のゆかり和え

ぬた=酢味噌和え ( 長ネギ、ほうれん草、ワカメ、白菜 )
すまし汁 ( ワカメ、長ネギ )
揚げ浸し ( ナス、カボチャ、大根おろし )
炊き込みご飯が出るとは思わなかった。とにかく炭水化物を制限されると思っていたので。
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病院食を一時間近くかけて食べようと努力する佐藤に、思わぬ伏兵が。


看護師さんである。




看護師さん
「食事食べ終わりましたか?」

佐藤
(もぐもぐ) 「いへ、まだれす」

看護師Aさん
「分かりました、食べ終わったら言ってくださいね~」

佐藤
「いへ、(もぐもぐ)あの、食べ終わったら、自分で持って行きます。運動にもなるし(←最終回収場所は病室から遠い)」

看護師Aさん
「そうですか、分かりました」





佐藤、食事再開。






看護師さん
「佐藤さん、食膳下げに来ました~。あ、まだ食べてました?」

佐藤
(もぐもぐ) 「はひ」

看護師Bさん
「食べ終わったら言ってくださいね」

佐藤
(もぐもぐ) 「あの、食べ終わったら、自分で持って行きまふ。運動にもなるし」

看護師Bさん
「そうですか、分かりました」





同室の同病患者の工藤さんは、
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さっさと食べ終わり、ウォーキングに出かける。

佐藤はまだ食べている。



問診の時、食べるのが早いと妹に言われたし、ゆっくり食べることはいろいろ利点がある。



よく噛んで食べ過ぎを防ごう 「早食いは肥満につながる」 

よく噛んで食べると、食事が少量でも満腹のサインが脳に伝わりやすく食欲が抑えられる。脳内物質の働きとして内臓脂肪の分解を促進することも知られている。

農林水産省
http://www.maff.go.jp/j/syokuiku/minna_navi/topics/topics4_02.html



もちろん知っていた。だから時間をかけて食べているのだ。



入院中、佐藤がもっとも恐れていたのは、お腹が空いて隠れて売店で買い食いをすることだった。


それだけはしたくなかったが、糖尿病入院患者にはよくあることだと聞いていた。


自分がそうなるのが怖かった。

食事に不満はなかったし、『食事をする』ということに嫌悪感を抱いてしまった自分だから、そんなことはないとは思っていたが、いつどうなるか分からない。


食事は人間の三大欲求の一つだ。お腹が空くのは避けられないし、食べたいと思うのも、どんな聖人でも避けられない。


だから隠れて食べるのも分かるが、自分がそうなったらどうしよう、と入院が決まった時から怖かった。怖いというか、恐怖していた。




だから時間をかけて食べ、病院の少量の食事でも空腹感を味わい苦しむことがないよう、そんな自分にならないようにしていたのだ。


ちなみに病院食では、満腹感を感じることはない。空腹感を感じない、という食事だ。それがこれから、佐藤の人生で延々と続く。



なので、ほっといて欲しいというか、そっとして置いて欲しかったのだが、看護師さんは次から次へとやって来る。





看護師さん
「佐藤さん、食べ終わりましたか?」

佐藤
(もぐもぐ) 「いへ、まだれす。あの、食べ終わったら、自分で持って行きます。運動にもなるし」






看護師さん
「佐藤さーん、食べ終わった? あ、まだ食べてる?」

佐藤
「………」



ちゃんと残さず食事を摂取したか、確認するためだとは分かっていた。



とにかくゆっくり食べたかったのだが、このやりとりは退院するまで毎日毎食繰り返されるのだった。



ダイエットしたい人にも役立ちます
 ↓ 一日1600kcalに抑える目安



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通院

21:09
数値を見る先生。

いまひとつの顔をする。
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「佐藤さん、これ持ってる?」
そう言って取り出したのは、食品交換表。


その名の通り、交換表である。
糖尿病の人は病院から指導されると思うが、これを見ると食事管理が比較的簡単なのだ。

佐藤
「いえ、持ってないです」

春の小川先生
「下の売店でも売ってるからね」


それは、買えと。
そして数値が悪いから、こんな食生活では駄目だ、と。

そんな。運動も食事も頑張ってるのに。一見豪華に見える食事も、できるだけ豪華にしようと見た目を工夫して、量を少なく、皿数を多めにしているだけで、実際はそんな量もカロリーも無いのに。測ってないけど、無いはず。

ガ━━(;゚Д゚)━━ン!!ガ━━(;゚Д゚)━━ン!!ガ━━(;゚Д゚)━━ン!!

とショックを受ける。

先生はカルテを捲り
「えーと、前回退院した時のA1cが、9.3で、入院する前が~
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11.0、今回が8.0、順調ですよ~」

さっきの「食品交換表」を買いなさいというのは、なんだったんだ……。



それにしても悩ましい。
工藤さんが入院した時、A1cは8だったそうだ。

そして佐藤は退院後も頑張って、やっと8。まだ入院するような数値ということか……。
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工藤さんは頑張ってHbA1c、5.9、佐藤は頑張ったのに、まだ平均値には程遠い。



看護師さんにも先生にも褒められたが、疑心暗鬼にかかる。
励まそうとしているのではないか、悪いとはそもそも言わないのではないか、などなど。

疑心暗鬼にかかると、なにもかも信じられなくなる。




そんな時、たまたま千葉から帰ってきた仲良しの友人がいて、佐藤は告白した。

実は糖尿病で入院していた、目にも症状が現れ、網膜症も併発している、と。



友人は人工透析専門の病院に勤務していたこともあり、糖尿病に明るかった。


数値を見た友人は
「え、高脂血症? そりゃそうだよ、当たり前だよ、血糖値400超えてたんじゃ」
と笑い飛ばし、



「明日、予定なかったら夕方ご飯食べに行こうか。
自分の健康については、声に出して誰かに喋る事は、心のリハビリになるよ。
今の佐藤の心の葛藤は、至って普通の流れだから心配せず、一ヶ月の指標を指すHbA1Cが2ヶ月で8まで下がった自分を褒めてあげて。
新薬の成果があれば、1kg/月下がるはずだからさ。
焦らず5年でここまできた数値は5年かけて近づけようよ」




と言ってくれた。

血糖値400超で、昏睡を起こす人もいるそうだ。
とにかくストレスを抱えないで、悩むな、数値が悪くなる原因になる、と。



糖尿病に罹って苦しんでいる人達に、この友人の名言を聞かせてあげたい。

病名を告白したことによって、新しく佐藤の元に舞い降りた天使だった。


友人達は、みんな天使だ。
救いの言葉と手を差し伸べてくれる。

もう時間は戻せない。ひたすら前向きになるしかないのだ。また前向きになろう。




外食をしたので、頑張って散歩する。
この日は隣町で、お祭りがあった。

花火が綺麗だ。散歩が潤う。

よし、ブログに載せよう、とアンドロイドで写真撮影。
花火モードにして撮ったのだが、上手くいかないし、タイミングも見事に合わない。



それでは佐藤の踊らせられっぷりをお楽しみください。

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超新星爆発ですか

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そして人魂ですか

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目玉おやじですか?

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更に人魂ですか


花火は色とりどりのはずだったが、何故か全部赤く写る。




そして花火が終わり、お約束の渋滞。
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その脇を、悠々と歩いて家に帰った。


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通院

02:07
どっきどきの佐藤の番。

野菜中心の食事になったが、果たして正しいのか、この一ヶ月不安だった。

「こんな食事生活ではダメだ」

と先生に言われたらどうしよう。

家から検尿を持ってきて、次は採血。佐藤の血管は細く、血が取りづらい。
パシパシ叩かれ、「あ、ここから取れるかも」と内側から採血した。



「はい、ここ抑えてください」

看護師さんが採取した血液をスピッツに入れて振る。
↓ こういうやつ

その間、佐藤は脱脂綿越しに圧迫止血。

「はい、いいですよ~」
看護師さんが注射をした後に貼る、絆創膏を取り出した。脱脂綿を取る。

看護師さん「……ん?」

注射した場所が分からなくなり、せっかく止血したのに、指で摘んで、血を絞り出すように出血を促す。

( ̄▽ ̄;)



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無事、新たに出血した(させた)場所に、絆創膏が貼られたのであった。



本末転倒とはこのことでは……ないの…か?






「佐藤さーん」

とうとう診察室に呼ばれる。
しかし入室する前に、体重測定だ。

入り口に置かれた体重計に乗る。
「……マイナス一キロ!?」

看護師さん
「凄い、二週間で一キロ…! いいなー! 私なんか……」

そう言って、自分の腹を撫でる、ちょっと太めな看護師さん。

どこからともなく別の看護師さんもやってきて、
「ね、どうだった? 体重どうだった?」
と聞いてくる。また痩せたと聞いてその看護師さんも喜ぶ。


退院後、一ヶ月で3キロ近く痩せた。

すわ新薬すげえ! と結果に喜ぶ看護師さんたち。



……いや、佐藤もですね、散歩したりして、食事をちょこちょこ我慢して、このクソ暑いのにジュースも我慢して、アイスも我慢して、頑張っているのよ? そこ評価してあげて。



体重測定の次は、とうとう春の小川先生の診察だ。




今日の晩御飯
★煮物、カニクリームコロッケ、サラダ、パプリカのピクルス、ラタトゥイユ、モロヘイヤのお浸し

煮物は魚河岸1/2を更に半分に切って、多く見せるいつもの作戦。
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ラタトゥイユ。妹が作って持ってきてくれた。うまい……!!
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まじ美味い。
どんな魔法使ったんだ。


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