麻酔をして歯の根に薬を入れて待っている間、先生はパーテーションで仕切られている隣の患者さんのもとへ。
「歯の根ですが、状態が非常に悪いです。医大の口腔外科を紹介しますので、そちらへ…」
「えっ医大…!?」
歯の根に脂肪。3本を包み込み、4本目を包み込もうといているそうな。
ここまでになるのには二年以上はかかる、三年半前に歯医者に行ったそうですが、そのときにすでにあったかどうかはレントゲンを診てみないと分からない、もう少し早かったらなんとかできたかもしれないが、ここまでになると手術を受けなくてはならない、そこで病理診断されるだろう。
先生の口調では、お隣さんは悪性ではなさそう。検査しないとわからないけど。歯は失うことになるかもしれない、発熱はしてない? だったらたぶん受け入れてもらえると思う、紹介状を書きますから、とのことだった。
次はその更にお隣。
先生
「二箇所も骨折しています。これは本当に緊急を要するので、いま受け入れてくれる病院を探してます、いますぐそこに行ってそのまま入院してください」
「えっ入院!?」
「かなりの重傷です。今日中に手術を受けないと(この時点で17時10分前)顔の形が変わってもうもとに戻らなくなります。口腔外科だと、医大か、○○総合病院か……とにかくいまから止血して縫合します」
診療室内が急にバタバタと騒々しくなる。
「先生、○○病院が」
「いや絶対に受けてもらって、なんとしてでも」
「でも受付が17時までと言ってきてますが」
「電話代わる、僕が直接お願いするから」
「FAX用意して。番号間違えてない?」
「番号間違えて届いてないなんてことになったら大変だからもう一回送信番号確認して」
「付添の方に、中に入ってもらって」
「いまコロナで厳戒態勢なんですよ、病院は。たぶん発熱すると思いますし、嫌な思いもするかもしれませんが、絶対に手術を受けてください、顔が戻らなくなりますよ」
「慌てないで、安全運転で行ってください、受付には遅れると行っておきましたから。場所わかりますよね? 料金はあとでいいからすぐ行ってください、夜間救急の入り口から入ってね」
急患だったらしい。本当にバタバタと大騒ぎだった。
心の準備をする余裕もなくこれから手術を受けろと。歯科医に来たということは、骨折は顎か? 顎を二箇所も骨折って……事故か?
いや違うか。事故だったら病院に運ばれるはず。
どうやら機械に顎をぶつけたらしい。5針縫いましたから、と聞こえてきた。
患者さんは付添の青ざめた奥さんに抱えられるようにして隣の市の病院へ。
同情を禁じえない。こっちがドキドキしてきた。
そして麻酔が切れてきて、ズキズキ痛み出した。
「サトウさん、ずいぶんお待たせしてごめんね。……あんな重症患者、僕も初めてで」
(↑父親が友人同士で、しかも学校の先輩後輩だったため、特別仲が良かった訳ではないが、気安い)
「大変でしたね……」
「いやぁ、あの患者さんに比べれば…。すぐに手術しないと顔が変わるので、ほんと大変だと思います」
ズキズキしながらご会計。
「ごめんね、サトウさん、ずいぶんお待たせしちゃって」
会計をしている人は、サトウが幼稚園児のときからこの歯科医にいる人で、更にお互い気安い。
この時点でサトウが診察台に座ってからすでに一時間半が経過していた。
「なんか、顎を5針縫ったとか」
「そう、びっくりしたよー(´;ω;`) 着ていた服、前側がどばーっと全部血で濡れてて」
「えええええ!? (´;ω;`)」
患者さんA←重傷
患者さんB←重症
サトウ ←虫歯
なんか……すみませんただの虫歯でこんなときに歯医者に来て。ほんとに……(´;ω;`)
患者さん2人が、早く治ることを心から祈る。
★焼き魚大根おろし・春巻き・サラダ・味噌汁
脂が乗って美味しいでござる。
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「歯の根ですが、状態が非常に悪いです。医大の口腔外科を紹介しますので、そちらへ…」
「えっ医大…!?」
歯の根に脂肪。3本を包み込み、4本目を包み込もうといているそうな。
ここまでになるのには二年以上はかかる、三年半前に歯医者に行ったそうですが、そのときにすでにあったかどうかはレントゲンを診てみないと分からない、もう少し早かったらなんとかできたかもしれないが、ここまでになると手術を受けなくてはならない、そこで病理診断されるだろう。
先生の口調では、お隣さんは悪性ではなさそう。検査しないとわからないけど。歯は失うことになるかもしれない、発熱はしてない? だったらたぶん受け入れてもらえると思う、紹介状を書きますから、とのことだった。
次はその更にお隣。
先生
「二箇所も骨折しています。これは本当に緊急を要するので、いま受け入れてくれる病院を探してます、いますぐそこに行ってそのまま入院してください」
「えっ入院!?」
「かなりの重傷です。今日中に手術を受けないと(この時点で17時10分前)顔の形が変わってもうもとに戻らなくなります。口腔外科だと、医大か、○○総合病院か……とにかくいまから止血して縫合します」
診療室内が急にバタバタと騒々しくなる。
「先生、○○病院が」
「いや絶対に受けてもらって、なんとしてでも」
「でも受付が17時までと言ってきてますが」
「電話代わる、僕が直接お願いするから」
「FAX用意して。番号間違えてない?」
「番号間違えて届いてないなんてことになったら大変だからもう一回送信番号確認して」
「付添の方に、中に入ってもらって」
「いまコロナで厳戒態勢なんですよ、病院は。たぶん発熱すると思いますし、嫌な思いもするかもしれませんが、絶対に手術を受けてください、顔が戻らなくなりますよ」
「慌てないで、安全運転で行ってください、受付には遅れると行っておきましたから。場所わかりますよね? 料金はあとでいいからすぐ行ってください、夜間救急の入り口から入ってね」
急患だったらしい。本当にバタバタと大騒ぎだった。
心の準備をする余裕もなくこれから手術を受けろと。歯科医に来たということは、骨折は顎か? 顎を二箇所も骨折って……事故か?
いや違うか。事故だったら病院に運ばれるはず。
どうやら機械に顎をぶつけたらしい。5針縫いましたから、と聞こえてきた。
患者さんは付添の青ざめた奥さんに抱えられるようにして隣の市の病院へ。
同情を禁じえない。こっちがドキドキしてきた。
そして麻酔が切れてきて、ズキズキ痛み出した。
「サトウさん、ずいぶんお待たせしてごめんね。……あんな重症患者、僕も初めてで」
(↑父親が友人同士で、しかも学校の先輩後輩だったため、特別仲が良かった訳ではないが、気安い)
「大変でしたね……」
「いやぁ、あの患者さんに比べれば…。すぐに手術しないと顔が変わるので、ほんと大変だと思います」
ズキズキしながらご会計。
「ごめんね、サトウさん、ずいぶんお待たせしちゃって」
会計をしている人は、サトウが幼稚園児のときからこの歯科医にいる人で、更にお互い気安い。
この時点でサトウが診察台に座ってからすでに一時間半が経過していた。
「なんか、顎を5針縫ったとか」
「そう、びっくりしたよー(´;ω;`) 着ていた服、前側がどばーっと全部血で濡れてて」
「えええええ!? (´;ω;`)」
患者さんA←重傷
患者さんB←重症
サトウ ←虫歯
なんか……すみませんただの虫歯でこんなときに歯医者に来て。ほんとに……(´;ω;`)
患者さん2人が、早く治ることを心から祈る。
★焼き魚大根おろし・春巻き・サラダ・味噌汁
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