佐藤です

19:29
眼科で診察を受けた時、看護師さんに「このあと婦人科に行くつもりです」と言っていたせいか、看護師さんが気を利かせてくれて、婦人科に予約を入れてくれていた。

その看護師さんのピッチに婦人科から「診察時間が四時で終わりますが」
と電話がかかってきた。

しかし状況はもはや婦人科に行く雰囲気ではなくなっていて、結局受診はできなかった。


入院案内のパンフを貰い、説明を受け、明日の朝九時半くらいにこの病院の姉妹病院、○○医療センターに行ってください、と言われた。

○○医療センターとは、この地域では医大よりも最新の設備がある、入院専門の病院だった。(新しいから)


看護師さんに「あ、ご飯は野菜を山ほど食べてくださいね」と言われた。
え、それだけ? ××食べないでくださいね、とか大量に食べないでね、とかないの?


なんか不思議に思いながら帰宅。


入院案内の中に、高額医療控除の案内があった。妹とその日のうちに市役所に出かけて申請。

「国民健康保険限度額適用認定証」だ。
これを入院時に提出する。

70歳未満の人が「限度額適用認定証」を保険証と併せて医療機関等の窓口に 提示すると、1ヵ月 (1日から月末まで)の窓口での支払いが自己負担限度額までとなる。

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手続きはあっさりしていた。あっという間に交付してもらい、帰途についた。



明日からは皆がつらいと口をそろえて言う、病院食の始まりだ。
だったら今日は最後の晩餐で、好きなモノを食べよう。


――などという思いはこれっぽっちも沸かなかった。

好きなものを食べるどころか、食に対して激しい嫌悪感を抱いてしまい、昨日から何も口にしていない。水すらろくに口にできないでいた。

それはよくない、何か食べろ、そうだ、野菜を食べなよ、これなら怖くないでしょ? とスカイプしていた友人まこちゃん(仮名)に言われ、千切りキャベツを食べた。(家にたまたま残っていたから)

しかし摂取するのを拒絶しているかのように、飲み込むとき喉が痛い。食べるのが痛いとは、初めて経験した。とにかく痛くて上手く食べれなかった。

「それ、軽度の脱水症状だよ。水を飲まないと」

言われて水を飲んだが、そうそう症状は改善されず、痛くて涙を滲ませながら少し食べた。キャベツが喉の粘膜に突き刺さるようだった。



退院してからの自宅の食事

★温野菜、野菜のトマトチャウダー、温玉、酢の物、天ぷら煮

御飯は玄米ブレンド。玄米の殻が食物繊維で、消化がゆっくり、血糖値を急激に上げない。
温野菜はキャベツ、人参、トマト、ごまドレッシング。
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今現在、私は油も厳しめに制限されている。でもある程度も摂取しないといけない。
掻き揚げは作りおきのものなのでサクサクしておらず、だから煮た。カツ丼みたいな感じ。甘みはもちろん、0%
の甘味料だ。
ふにゃふにゃになっていたので、キッチンペーバーを使って何度も何度も油を取り除いてから煮た。
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玉ねぎ、しいたけ。

食事が終わると運動をしに出かける。
田舎なので街灯の少ない暗い夜道を、トボトボ歩く。体力はまだ回復していない。

人が多いな、賑やかだな、と思ったら、その日はお祭りの日だった。
暗闇の中、ぼんやり明るさが浮かび上がる空間。
宮沢賢治の作品のような、宮﨑駿のアニメのような、そんな異世界空間に見えた。
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賑やかで活気がある、そこだけ暗闇の中から切り取られたような不思議空間。今の私には無縁の場所だ。甥も姪も大きくなったしね。


佐藤はクレープが大好物だ。

一ヶ月前は食べれたんだなあ、なんて思った。晩御飯を食べたあとだし、別に食べたいと思ったわけではなかったのだが、ここにいる人々は皆、どれがいいかな  なんて好きなものを選んで食べれる健康な人達なんだな、と思った。


夜のせいか、しかも便秘のせいか、考え方がかなり後ろ向きだ。
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しかしそこはまだ糖尿病宣告されて一ヶ月程度。
病気にはストレスが大変良くなく、無意味に血糖値が悪くなるらしいが、仕方ない。
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気持よく不幸に浸って酔いしれ、不思議空間を味わって家に帰った。


翌日、屋台の人からの仕事が舞い込み、その関係で焼きそばとクレープをたくさん買うことになった。

皆に配られるが、私は食べれない。

しかし昨日感じたことが頭をよぎり、普段なら「いらないよ」と特に惜しまず断るのだが、今回は食べようと思った。

そんなわけで今日のお昼ごはん。
★焼きそばをちょっと、あとクレープ。

後ろはナス田楽、焼きズッキーニ、ブロッコリー、酢の物だ。
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美味しいかどうか、正直よく分かんなかった。
ただもくもくと食べた。

佐藤の血液の数値は、まだあまり良くない。
安定するには時間がかかる。安定すればもっと自由になるだろう。


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佐藤です

19:27
ストレスからか、体重はこの二日間で三kgも減っていた。


絶食していたせいもあるかもしれん。



入院前日の夜、しばらく話せなくなるから喋ろう、とまこちゃん(仮名)がスカイプに誘ってきた。
昨日の記事で「食べなよ」「それ脱水症状だよ」と言った、あの人だ。


まこちゃん(仮名)は、糖尿病のことをいろいろ調べたらしい。


「病気の食事とか、糖尿病の食事とか思わないで、ダイエットしてると思いなよ。そしたらつらくないでしょ?」



この他にもLINE仲間からはいろいろ言われていた。

「大丈夫、安心して休んでこい」みほちゃん(仮名)
「野菜バイキングのお店があるから、今度はそこに行こう。御飯は麦飯が糖尿病にいいそうだよ」ケダモノ(愛称)


どれもこれもとてもありがたく、みんな少しでも佐藤を励まそうとしてくれた。



しかし佐藤は、いつもそうなのだが、ショックがでかいとそのありがたい救いの言葉が、心に届かない。自分でも不思議なくらい、届かないのだ。

そしてそれは蓄積され、時間が経ってから、ようやく心に沁みてくる。

今回もそうだった。

あんなに心温まるような、楽しくしようとしてくれるような、元気づけてくれるような言葉をたくさん貰ったのに、心はまだ動かず、荒野のようだった。


「ダイエットしてると思いなよ」
これもその時は届かなかった。





しかしこの後、この言葉が入院生活、そして退院後の生活の支えになってくる。



退院後の晩御飯

★豆腐つみれ? の煮物、酢豚、お新香、野菜トマトスープ、かぼちゃの煮物、なます、トマト、ブロッコリー


豆腐の煮物の商品名称は「豆腐ハンバーグ風」だ。よくわからんが人参が入ってるのは分かった。
お新香は、きゅうり、玉ねぎ。
御飯は玄米と白米のブレンド。
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そして今日の晩御飯

★エリンギ&茄子の田楽、ナムル、サラダ、きゅうりとひき肉の炒めもの、目玉焼き。

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きゅうりの炒めものは、ネットで知り合った友人、うりゃ(愛称)に教えてもらった。

きゅうりとひき肉(冷蔵庫にあったからズッキーニも入れた)を醤油、砂糖で味付け。ひき肉を炒めた時点でキッチンペーバーで油は吸い取る。その後、野菜を投入。

めちゃ美味い。きゅうりを炒めるとは、眼から鱗だった。
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うりゃ「言い忘れたがショウガも入れる(^^A;」





早く言え。



そしてリベンジ目玉焼き!
どうだ、これで目玉おやじなんて言わせないぞ。どっから見ても魚だ!
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篠山紀○になったように、写真を撮りまくる。

さ、こっち見てみようか。はい、目線こっちによこして~。
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次は下からのアングルで。
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うん、いいね~。いいよいいよ~。
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悦に入る佐藤。


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佐藤です

16:48
病院は、中庭があって、木々がたくさんあって、静かな場所に建っていて、一見癒やし風景だ。
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だがここに入院する人は、戦うためにやって来る。

頑張ろうという気はなかった。
ただ淡々に治療を消化するしかない、と思っていた。
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まずは受付けに行く。

そしたら医療事務をしてる同級生がいた。
ここは入院専門の病院。私の顔を見て同級生は驚いたような顔をした。

同級生「あれ、どうしたの?」

佐藤「う、うーんと、今日から入院することに……なりまして」

同級生「えっ。いつまで?」

佐藤「今月……いっぱい?」

同級生は何の病気で、とは聞いてこなかった。なのでこちらから言った。

佐藤「散歩しないといけないから、この辺うろうろすると思うけど……よ、よろしく」

それだけで通じた。

同級生「なるほど、入院中でも運動しないといけないんだね。うん、そうか」

察しがいい。彼女は昔から察しがよかった。




私の病室は、三階の階段から一番離れた、棟の突き当りだ。
ここ。
no title


一階に降りるだけで、結構歩かなければならない。

同室の人達と、コミュニケーションが苦手な自分が、うまくやっていけるだろうか。

そんな不安を抱きながら、入院生活が始まった。



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佐藤です

21:05
四人部屋に入院する。
一人は眼科の患者さんで、ご高齢のせいか殆ど寝たきりだった。

あとの二人は同じ糖尿病患者だった。

隣はトキさん。八十二歳。

そして斜め前は工藤さん、六十歳。




……工藤…!?


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なんやて工藤!
せやかて工藤!
そやかて工藤!







妹「あのね、よっちー(妹旦那)が、最初の採血検査の結果見せてって」

佐藤「え、どこに置いたっけなー」

ショックでよく数値を見ていなかった。というか、見たくなかったのかもしれない。

妹「血糖値の数値より、ヘモグロビンのほうの数値が大事なんだって」

よっちーは、佐藤が入院すると聞いて、ネットで調べたのだろうか。

佐藤「ヘモグロビン……ふうん」

入院が決まった時の血液検査の数値だ。

ケトン体 2+。ブドウ糖の代わりに脂肪が分解するとき生じる廃棄物で、本来ならブドウ糖がエネルギーになるが、インスリンが不足すると脂肪をエネルギーにせざるをえなくなり、ケトン体が生じる。らしい。
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正常値は、陰性(-) 佐藤は陽性(+)
ケトン体が陽性である場合のほうが、より体内のインスリンが欠乏していて重症であると判断されるそうな。

よろしくない。
蛋白も出ている。

ちなみに佐藤の伯母が、腎臓障害の「ネフローゼ症候群」で亡くなっている。

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※厚生労働省

『透析新規導入の約6割は糖尿病と高血圧が原因』

なかなかショッキングな見出しだ。
糖尿病は日本の国民病と言われていて、成人の約二割が糖尿病を疑われている。


血小板が多い。よろしくない。
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生化学検査
コルステロール値高い。中性脂肪も。よろしくない。
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そして血糖値423。普通は70~110。

……高い。
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眼科の先生の「血糖値400越えてるから、即入院ね」の言葉を思い出す。

HbA1cはこのブログのアドレスにもなっているが――高い。
これはよくない。とてもよろしくない。

先生は「糖尿病を発病して5年位経ってるのかな」と言っていた。
通常は4.6~6.2
とってもよくない。8.0以上は、糖尿病の状態が悪いそうだ。


糖尿病の人は、このHbA1cの数値に人生を躍らされることになる。

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佐藤です

11:40
入院時にいろいろ問診される。

タバコは吸いますか、お酒は飲みますか、どのくらい飲みますか、頻度はどうですか、甘い物は好きですか、チョコをどうしても食べたくてたまらない時とかありますか、生活は規則正しいですか、就寝時間は何時ですか


看護師さん「食べ物で好き嫌いはありますか?」

佐藤(うっ……)

佐藤「あ、あ、ありま、せん」


本当は嘘だ。嫌いなものがたくさんある。しかし病院食は全て食べねばなるまい。
魚も苦手だ。


しかし魚をたくさん食べろと言われるだろうとは、想像に難くない。

看護師さん「好き嫌いはなし、と」

佐藤「あっ! あの、ありました、……牛乳が、だめです」


好き嫌いしてはいけない、これからはなんでも食べなければならない、とは分かっているが、どうしても、どうしてもどうしても、牛乳は飲めなかった。

あの匂いがどうしてもどうしてもどうしても 駄目だった。


看護師さん「アレルギーですか?」

佐藤「いえ、乳製品は食べれるというか、むしろ大好きなんですが、シチューとかも好きだし……でも牛乳単品だとコーヒーに混ぜるとかしないと…。精神的なものなんでしょうが、学校給食で無理矢理飲ませられたことがあって、蕁麻疹が出たこともあります」



入院生活が始まったが、薬は処方されなかった。投与もなかった。
注射しまくられると思ったのに。山ほど薬を出されると思ったのに。


そういうわけで、最初に写真をUPしたが、あの肉じゃがが初の病院食となる。
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塩分も脂肪分も糖分もカロリーも制限されている。一日の摂取カロリーは1600kcal
よくは分からないが、人間が飢えないぎりぎりのカロリーなのでは、とか考えていた。

病院食は拍子抜けなほど、美味しかった。



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